クロス病院

橈骨遠位端骨折とは?

手首の骨を橈骨といいます。橈骨骨折(遠位端)は高齢者に生じることが多く、転倒や事故で手をつくことが原因で起こります。転倒によって若年から青壮年の方にもみられる怪我のひとつです。怪我の直後から手首周辺の腫れと痛み、変形を伴います。さらに時間がたつと皮下出血が認められます。 受傷時(26歳) / 受傷時(70歳) / CT(75歳)

骨折のギプス治療は?

ギプス固定

橈骨遠位端骨折の治療には手術と保存治療があります。一般的にはギプスや添え木を用いた固定が行われますが、骨折部のずれが大きい場合は手術を選択します。ギプスは4~6週間にわたり手首と指の関節を固定する必要があるため、ギプスをはずした後に関節拘縮(関節が硬くなって動きが悪くなる)や筋肉の萎縮を残しやすく、高齢者には不向きな面もあります。


骨折の手術治療は?

術中写真固定後 / 術後レントゲン

術中写真固定後 / 術後レントゲン

骨折部のずれが大きい場合や骨折部が粉砕して不安定な骨折の場合は手術を選択します。骨折部にプレートとスクリューという金属を挿入して固定します。強固な固定が得られますが、その一方で手術創が大きくなるため、創部痛や周辺組織との癒着、神経血管の障害や創感染などのリスクがあります。


創外固定ー新しい治療方法

DispoFix (Synthes TM) / 創外固定 / 創外固定 / CT / 術前x-p / 術後x-p

当院ではギプス固定とプレート固定の合併症を軽減するため、創外固定という手術を行っております。これは従来の手術のように骨折部を直接開くことなく転位を整復して、皮下に挿入したピンを皮膚の外で固定する方法です。したがって手術創は1cmの傷が4~5カ所で済みますし、術直後から手指や肘の運動を開始するため、関節拘縮が生じにくいという長所をもっています。2~3泊で退院することも可能ですし、1~2週入院のうえリハビリを毎日行うこともできます。骨折部が癒合する4~5週後にピンを抜きますが、これは10分程度で済みます。
創外固定自体は以前からある治療方法ですが、近年ディスポーザブルタイプ(1回のみ使用する)で軽量(40~60グラム)の創外固定が開発されてきたこと、また器械の発達により手技が安全で簡便になってきたことにより、広く行われる手術になっています。 術後の手関節可動域(右が受傷側)


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